Highly Accelerated Life(Limit) Testing / Highly Accelerated Stress Screening
HALT:高加速寿命試験 / HASS:高加速ストレススクリーニング
HALT/HASS試験は、米国で考案された試験方法です。近年エレクトロ業界などで多発するリコール問題の対策や、市場における工業製品の信頼性を短時間で向上させる新しいアプローチとして、注目を集めています。すでに欧米諸国では製品の信頼性向上に取り組みを確認するために製造元に対して、HALT試験の実施を要求することが多く、通信・自動車・航空機・船舶・サーバー・PC・電源などの分野では、輸出の際の必須の試験になっています。 HALT/HASS試験の利点は、製造の設計時間やコストを大幅に低減でき、製品の信頼性と品質を向上できることです。また輸出先の仕様(ニーズ)に対応出来ることです。・HALT/HASS試験の適切な装置を選択する際に考慮に入れるべき重要な要素があります。これらの試験方法は、温度と振動を同時に実施する能力が要求されます。THERMOTRONは強力なHALT/HASS試験を実施する加速ストレス試験用として、様々なサイズで、そして、高速温度変化レートを実現するいくつかの冷却方式を有する試験槽を提供することができます。
HALT試験
・HALT試験とは「製品に内在している欠陥や弱点を短時間に抽出する」試験の概念です。温度、衝撃、振動等の要素をSTEP試験やサイクル試験により、強制的に製品の欠陥を発生させる手法です。HALT試験はこの手法に従って試験すると、誰でも個人差が無く、同じ結果がえられる方法です。HALT試験で現れた結果を、設計部門や技術部門にフィードバックし、弱点などを再検討・対策をすることにより、更に信頼性の高い製品にする事ができ、販売後の市場からの不良発生率を抑えることにより、コストを抑えることが出来ます。
1. HALT試験は、一般的に以下の様な順序で行われます。
①温度を段階的に下降・上昇させる。
②急激温度変化を繰り返す。
③振動を段階的に繰り返す。
④急激温度変化と振動の組み合わせ
この様な手法で試験すると、信頼できるデータが誰でも同じ結果として得られます。米国ではごく一般的手法として、電子・電機・自動車などの分野で用いられ、各社で各社の製品内容に沿った規定を作り管理しています。
2. HALT試験において重要なことは
市場に於ける製品は仕様が決められているので、仕様を超えた加熱や冷却を続けると製品は部分的に動作不良を起こします。この温度を「運転限界」と呼びます。しかしストレスを少し軽減する(温度を常温側に少し戻す)ことにより製品は再び正常に作動を始めます。
温度を「運転限界」より更にストレスを与えると、最終的に製品は故障して完全に動作しなくなります。この状態を「破壊限界」と言います。「運転限界」との違いは、ストレスを軽減しても製品が再び正常に戻ることがない事です。HALTでは、その試験によるストレスで故障する箇所、その様子を観察する事により製品の弱い部分を見つけると共に、下図のように運転限界点と破壊限界点を見つけることにより製品の運転マージンと破壊マージンを特定することが出来ます。
これによりHALTを通じて運転マージンを大きくすることが目標の一つになります。
3. HALT試験装置に必要なことは
- 強い熱衝撃を与える事が出来ること。製品(供試体)を構成している各種部品や材料にあった適正な温度変化ストレスを与えられること。
- 低周波領域で強い振動エネルギーをストレスとして製品(供試体)に与えられこと。
- 均一な3軸(XYZ)の振動を印加できること。また、状況によっては、HALT試験でのショックパルス振動(1500Gpk以上)を必要とする場合があります。
HASS試験
HASS試験とは、出荷後発生するかも知れない潜在的不具合を生産段階で発見するための出荷前ストレス試験です。HASS試験はHALTにて使われた同様のストレスが使用されますが、通常の量産品に対して行われるスクリーニング試験です。
HASSは、HALTで得られた設計品質を保持して、製造過程における品質の劣化を監視するための方法を提供します。
このタイプの試験は、実際の量産品の運用が適切に継続できるか?素早く部品や製造での不規則性を発見します。
その他のHALT/HASSの特徴
その他装置ラインナップ
小型恒温槽 |
標準恒温槽 |
ハイスペック |
大型恒温室 |
HALT/HASS |
熱衝撃試験装置 |
高度(減圧)試験装置 |
振動試験装置 |
複合環境試験装置 |
バッテリーテストチャンバー |
ソーラーパネルチャンバー |
塩水噴霧試験装置 |
ダスト試験装置 |
レインテストチャンバー |